心地よいインテリアをつくる
世界中から集めた植物を植え込んだ
実験的で斬新な植栽がランドスケープの鍵に
『代々木ヴィレッジ』のトータルデザインディレクションは、インテリアデザイナーの片山正通さんです。しかし、ナチュラルなテイストが盛り込まれてい て、片山さんらしい「攻め」の印象はありません。片山さんが手がけた空間としては、いい意味でちょっと異色なのではないでしょうか。
たとえば、敷地奥のイタリアンレストラン『code kurkku』が入っている建物は、床材に無垢の木を使ったり、バーの壁をレンガで仕上げたりしています。高さのある天井はあえて素地を見せているし、壁 一面を植栽で覆ったグリーンウォールもインパクトがあるだけでなく、陽が当たっているところのグリーンが成長してしまっているのも、整然としすぎておらず 伸び伸びとした印象になっています。
全体としては、細長い土地を上手く使っているな、と思いました。高低差のある土地ですが、フラットなエリアを階段でつなぐのではなく、あえてゆるやかな スロープにしてあるというのもポイント。小さなお子さんを連れた方やご高齢の方にもやさしい、自然で落ち着いた空間になっています。
それから、ここに来たらぜったいに注目していただきたいのが、植栽です。ものすごく細長いイトスギだったり大きなサボテンだったり、個性的なフォルムの植物を世界中から集めた「植物園」になっていて、見るだけでも楽しめます。
30ヵ国、100種類の植物には、それぞれプロフィールの札が用意されているんですが、単なる学術的な解説ではなく、「へぇ!」と思わせてくれる内容なのも洒落ています。