心地よいインテリアをつくる
暮らしに香りを!ルームフレグランス(鈴木ふじゑ)
暮らしに香りを!
ルーム・フレグランスを考えてみましょう
玄関のドアを開けた瞬間に、ふんわりとフレグランスの香りを漂わせる。それだけでも、お客様の緊張がほぐれてイメージがよくなるのではないでしょうか。
ルーム・フレグランスを考えてみましょう
五感に訴えかける空間作りに欠かせないのは、
感情や記憶に直結する「嗅覚」への刺激
わたしが空間をつくりあげるときにたいせつにしているのは「五感に訴えかける」こと。なかでも、印象を決める大きな要素になっている「香り」には、もっと気を配るべきだと考えています。
嗅覚は、五感のなかでももっとも原始的で本能的な感覚だと言われています。また、五感のなかで嗅覚だけが脳のなかで感情や記憶をつかさどっている「大脳辺縁系」に直結しているため、視覚や聴覚などからの刺激を受けたときよりも鮮明な記憶が呼び起こされるのだとか……。
逆に言えば、香りの印象はゲストの記憶にも残りやすい、ということ。
とくに大切なのは、玄関を開けた瞬間に漂ってくる香りです。
まだ、部屋の全貌もわからず、視覚も照明の明るさに慣れていない状態でも、香りはスッと入ってきます。そして、どこの家にも「その家特有の香り」がある もの。ふだん生活している人にとっては「気にならない日常のにおい」でも、よその方にとっては異質に感じられることも多々あるのです。玄関のドアを開けた瞬間に、ふんわりとフレグランスの香りを漂わせる。それだけでも、お客様の緊張がほぐれてイメージがよくなるのではないでしょうか。
個人の住まいであっても、玄関は「パブリックな空間」として演出するのが理想的です。季節によって、春から夏にかけては爽やかな香りを、秋から冬にかけ ては少し温かみが感じられる香りを、夜のホームパーティーにはスパイシーな香りを……と、使いわけてみるのもいいかもしれません。