心地よいインテリアをつくる
快適さを実現するソファ選びのコツ
ソファ選びのポイントは
長時間座って心地良さを確かめること
インテリアやデザインに興味を持っている人にとって、家具を選ぶことは大きな愉しみのひとつです。しかし、部屋の広さ、天井の高さ、間取りなど住まいのスペックに、サイズや素材といった家具の要素がからんでくるので、たいへんなのも事実。 とくに、日本の住宅事情では、ソファ選びに悩まれる方が多いかもしれません。
ソファ選びでは、きちんとサイズを確認することが大前提なのは言うまでもありません。そのうえで、どのようなポイントをチェックするべきなのか……。
わたし自身は、ソファは座面の奥行きが大切だと思っています。座面の浅いソファでは、なかなかくつろぐことができないからです。1000mmは難しいと しても、900mm以上はほしいところ。奥行きの調節にはクッションを使って、リラックスできる体勢を見つけるといいと思います。背面は、ローポジションがおすすめ。横のラインが強調されて、美しい空間になるはずです。
座面の素材は、好みがわかれますね。やわらかく包み込んでくれるようなフェザー、ちょっと硬めのウレタンフォーム……。
まずはインテリアショップでいろいろなソファに座ってみてください。ソファはゆっくりくつろぐ場所ですから、座った瞬間の印象よりも、長い時間座っていて心地よいと思えることが重要です。ショップで座りくらべるときも、できれば少し時間をかけて感触を確かめてみるのがいいでしょう。
インテリアショップは家具選びだけでなく
部屋づくりのヒントも得ることができる
青山の「エ インテリアズ(è interiors)」は最近よく行くお店のひとつ。家具から小物からオブジェまで、ひとつひとつのアイテムの質が高いのはもちろんのこと、空間の演出の仕方がとてもステキなんです。
地下1階、地上3階のショップは、イタリアの建築家でありデザイナーであるピエロ・リッソーニ氏がリノベーションを手がけました。リッソーニ氏がデザイ ンしていたり、ディレクションしているブランドのアイテムが多くそろっているほか、3階ではフランスのカトリーヌ・メミを扱っていて、リッソーニ氏のイタ リアモダンとは異なるフレンチシックな雰囲気も楽しめます。とくに地下の「コンセプトルーム」はぜひ見ていただきたいですね。リッソーニ氏がつくりあげた仮想の住空間で、リビングからベッドルーム、ウォークインクローゼット、ダイニング、キッチンまで、リッソーニ・デザインの住まいを体感できます。
たとえば、キッチン。最近は、独立型ではなくダイニングと一体感のあるオープンキッチンが増えていますが、課題となるのは「収納をどうするか」です。 リッソーニ氏は、カチッとした鏡面素材で収納スペースをつくることで奥行きを感じさせながら、パインの古材のカウンターでぬくもりのある空間に仕上げてい ます。
リビングは、壁面にしつらえられた棚がポイントです。ブックシェルフであり、アートで飾るスペースであり、ミラーを入れることで身だしなみをちょっと確 認できる場所でもあり……見せながら実用として使えるようにしている。棚板が薄いので、ちょっと宙に浮いたようなスマートな印象になっているのも、リッ ソーニ氏らしいと思います。