心地よいインテリアをつくる

2012.03.08
ショップで美しい家具と出会うことが
自分自身の空間づくりにもインスパイアされる

 

わたし自身、リッソーニ氏の家具にインスパイアされて、空間をつくったことがあります。

「ローレルアイ恵比寿ピアース」のモデルルームでは、ベッドルームに抜け感というか空気の流れを感じさせたいと考えていたのですが、そのとき出合ったのが「ゾエ」です。背面のレザーがメッシュになったチェアを見て、窓まわりにはクリエーション・バウマンのケースメントになったレースを使い、クローゼットのガラスの引き戸にもケースメントパターンのシートを貼りました。

 

またわたしが気に入っている「アドホック」は、ワイヤーを1本ずつていねいに溶接してつくられている椅子で、照明を効果的にあてることで床に葉脈のような影が落ちるんです。「この影の美しさを手に入れたい」というところからスタートして、リビングの照明を設計したり、ほかのアイテムを選んだりする、という部屋づくりも楽しいのではないでしょうか。

そして、もうひとつ注目していただきたいのは、「アドホック」の後ろのカーテンの長さです。床にひきずる長さになっているのですが、床に着くことでドレープ特有のやわらかい動きが出て、空間に表情ができますよね。

欧米では、長めのカーテンをかけているケースが多いんですが、残念ながら、日本では掃除のしやすさなどから短めのカーテンを好まれる方が多い。ちょっと気をつけて手入れをしていればさほど汚れたりもしないので、こういうワザを盗んで帰っていただけるといいと思います。

 

è interiors(エ インテリアズ)  

 

 

鈴木ふじゑ(すずきふじゑ)

株式会社カン・デザイニングオフィス 代表取締役
1991年、カン・デザイニングオフィス設立。集合住宅、個人住宅のインテリアコーディネートをはじめ、商業施設やエクステリアデザインのコーディネートを行う。トータルな視点から快適さと心地よさを追求し、美意識のある住まいを提案。
ホテルクレガ天神(福岡)、THE TOKYO TOWERS(デザイナーズプラン)など参画したプロジェクト多数。社団法人日本インテリアデザイナー協会会員。